SANちゃん・RINちゃん新聞                    −35号−

アリアケスミレ

葉っぱの裏

葉っぱの裏は紫色をしている

毎年講師は鴻上先生です。鴻上先生は長年牧野植物園にお勤めになった植物研究家です。
先生のお話を聞きながら園内の植物を観察する植物観察会は、散策しながら楽しく勉強できる有意義なものになっています。

スミレに限らず、沢山花を付けている物や可憐に花をつけている物、そして稀少な植物はとても、きれいで目で見て癒される物ですが、「やはり、野におけすみれ草」ともいうように、自然にあるものを取っていって庭などに植えても根付かないようです。
又、自然のものを採ったからといって直ちに絶滅するというわけでも無いかもしれませんが、採ってしまったから絶滅するかもしれないという植物保護のお話を午後から、鴻上先生にお聞きしました。

アリアケスミレは、地上茎のないスミレで花は大形で白色、径2cmほどの大きさです。4〜5月に咲き、距は太くて短く、6mmほどです。

右の写真はアリアケスミレとヒメスミレです。スミレは雑種を多く作ります。もしかしたら、これから、アリアケとヒメの混血?が出来るかも・・・・

スミレの種はあまり遠くへ飛ぶことが出来ません。そこでタネをアリに運んでもらうのです。アリは、スミレのタネの甘い部分を食べてタネを捨てます。捨てられたタネはそこで芽を出します。

春の植物観察会が4月15日に行われました。
春のテ−マは「スミレ」です。当日は、晴天に恵まれ園内を散策しながらスミレ以外の春の植物も観察しました。

ニオイタチツボスミレ

タチツボスミレに似ていますが、葉の裏が紫色で茎は細かい白い毛で覆われています。花に匂いがあるので、ニオイタチツボスミレという名が付いていますが、顔を近づけるとかすかに匂うくらいです。
参加者全員、次々匂ってみましたが匂う人と匂わない人がいました。

原野や人家付近の湿気の多い土地に多い。葉は腎心形でやや柔らかく、長さが3〜4センチ、4月〜6月に1〜2センチの白又は淡紅色の花を開きます。

タチツボスミレは、ハ−ト型の葉っぱを持ち、2.5cmくらいの淡紅色の花を咲かせます。
北海道から沖縄まで日本中で普通に見られるスミレ、日本産スミレの個体数では、日本一といわれています。

スミレ

ニョイスミレ(ツボスミレ)

タチツボスミレ

スミレは、山野や道ばたの日当たりの良い所にはえる多年草です。
和名の菫は、花の形が大工さんが使うスミイレに似ているから。花の色は濃い紫色です。
かたまって咲いていると、とてもきれいでした。

甫喜ケ峰のスミレは、スミレ、アリアケスミレ、タチツボスミレ、ツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ヒメスミレ等が見られます。スミレは、大きく分類すると地上茎があるか、ないかに分かれ、花の色は白か紫です。
スミレのタネは、蟻によって運ばれるので、多年草ではありますが、毎年同じ所に咲くわけではないようです。

園内の植物は、みんなのものです。絶対に採らないで下さい。

参加者の方々は熱心に、図鑑とル−ペを片手に、鴻上先生に次々と質問をしていました。