当日は、11月3日の晴天の確率は70%という統計通りに、絶好のツア−日よりとなりました。
朝八時からの受付には、これまでの暑さが嘘のように、寒さを感じる朝でしたが、厳選な抽選で選ばれた21名の参加者の方々が、元気に高知駅に集合しました。

  紅葉の季節にふさわしく中尾谷は、山全体がきれいに色づいていました。到着後に高知県中央東林業事務所、藤チ−フから治山・林道事業の重要性や現場説明がありました。工事も、年々回を追う毎に着々と進み、今は法枠工(浸食防止や緑化のため)を実施しているとのことでした。

高知駅を出発し、最初に香美市物部町中尾谷に向かいました。物部町中尾谷は、平成17年の台風14号により大規模な山腹崩壊が発生したところです。その現場を見学するとともに、災害を受けた山を再び緑の山に戻すために、このツア−で毎年植樹を行っています。

閉会式

本協会の小松副会長からの挨拶でツア−がスタ−トしました。「災害に強い山作りや84%の森林資源を有効活用するため、又山を守り育てる為の間伐や植樹をするためにも山の道が必要であること。近年巨大化する台風等の災害に強い山作りや早期復旧のためにも治山事業が必要な事などを知っていただきたい」

施設を歩きながら、沢山説明して頂きましたが、昔は、良い木は1本で車を買えた時もあったそうですが、今では100年経った木でも、高くて1本5万円ぐらいにしかならないということでした。そんな話をお聞きして、参加者から「100年生きてきて、そんな安い値段では、木がかわいそう」と現在の林業の厳しさを垣間見たようでした。
又、皆伐した後に植林して、山を守っていくという事がなかなか出来ないという事でした。
このバスツアーなどを通して森林県である高知県の現状を出来るだけ多くの人に知ってもらえるといいなと思います。

アカリド線散策・・・アカリド線を800mくらい散策しました。

アカリド線を散策した終点が、今回のツア−の終了地点です。本協会の熊瀬常務から「朝、バスに乗る前に比べて、治山や林道等について、少しでも理解して頂けたでしょうか?」という問いかけに、沢山の「はい」というお返事を頂きました。アンケートにも、「今日学んだ事を周りにも伝えたい」と書いて下さった方もありました。
今後もこのツア−は、続きますので、沢山の方々に参加して頂きたいと願っています。

本協会の長澤専門官から、、アカリド線について、路線の概要や作業道の役割等について説明しました。
アカリド線は、間伐した木を木材にし、材の運搬やそこで働く人の通勤路として使用しています。幅員はトラックが通行できる3〜4mで、長年使える道として整備しました。

ストックヤ−ド視察後、一旦アンパンマンミュ−ジアムの所で休憩をとり、アカリド線に向かいました

現場説明の後に植樹の仕方について説明があり、各人1本ずつ植えました。今回植樹した木は、ヤマザクラとイロハモミジです。それにシカの食害を防ぐためにシカネットを被せました。シカネットのおかげで今まで植樹した木は順調に育っていました。

熱心に説明を聞く参加者 、盛んに質問もしていました。「檜と杉では、どちらが、持ちが良いですか?」

自動選別機で流れていく材木

自動選別機
長さと径級を機械がみて、曲がりや色は人が判別します。

昼食後、物部森林組合のストックヤ−ドに向かいました。
ストックヤ−ドでは、杉浦所長代理から、施設の説明を受けました。
林道を使って出た材を集めて月2回市を開いて材を売っていることや、昨年は35,000m3(住宅560:軒分)入ってきたこと、材の割合は杉が6割で檜4割、物部や香北の材を扱っていることなど、木材市場の説明等、普段聞く事が出来ない事を沢山お聞きすることが出来ました。
又、休みの日にも係わらず、自動選別機を実際に動かして頂き、大きさによって木材が所定の場所に選別されていく様子を目の当たりにしました。

植樹体験は、初めての人も、何回か経験したと言う人も、「いい経験が出来た」、「本格的な植樹を経験できてよかった」など、とても満足したようでした。そして、早く緑の山になることを願って、「自分の植えた木の生長を見に来たい」と言っていました。

中尾谷へ向かう道中では、、香北町で河岸段丘というめずらしい地形についてスタッフから説明を受けたり、車中でジャンケン大会をしたりと、和気藹々とした雰囲気で、中尾谷に向かいました。

来年も晴天に恵まれる事を期待して、又お会いしましょう!!

高知駅前での開会式

「天気が良くて、山の中を歩くのは、とても気持ちが良いです」参加した人たちは、そんな話しをしながら、楽しそうにバスに向かって歩いていきました。皆さん、歩き慣れているのか、とても歩くのが速かったです。

間伐された山に光が差し込み、下草が育っている所を見て頂き、間伐の必要性についての話もありました。「近年、地球温暖化防止の一環として、二酸化炭素吸収機能や水源涵養機能等森林の公益的機能の増進が求められています」

資料やパネルをみながら藤チ−フからの丁寧な説明を参加者の方々は、熱心に聞いていました。
藤チ−フから、今は、工事も進み当時の面影はないが、被災した時は崩壊規模が幅250m、高さ250m、面積で6haを超えていた事や、最大雨量が781mmを記録したこと、現場奧には人家が3軒有り生活道への影響も大きく復旧が急がれた事など当時の状況と復旧の経過や現在の状況をお聞きしました。
又近年の巨大化する台風やゲリラ豪雨の話におよび、大きな被害が各地で出ていることから、治山事業においては、崩壊した山を復旧したり、被害を未然に防ぐために強い山づくりを目指して事業を行っていると言うことでした。
そして、林道中尾線は平成21年まで工事を行い、人家の生活道や森の管理、木材運搬等に利用されていると言うことでした。

植樹体験の後、別府峡の河原でお弁当を食べました。

石が多くて、掘るのが大変でした  4歳の女の子も一生懸命植えていました 植えた後に鹿ネットを被せて終わりです 
     
*河岸段丘
河川の中・下流域に沿って発達する階段状の地形で、地殻変動などにより形成されたもの。

植樹の方法についての説明

中央東林業事務所藤チ-フの説明

鹿肉の入ったお弁当、サラミみたいでおいしかったと好評でした。