小学校の部  高学年


  七里に生まれてよかった

           四万十町立七里小学校
                   五年 青木 朝陽 
電子黒板に映し出されたユーチューブの映像にくぎづけになっていたぼくは、思わず、
「ここって、絶対に田舎の自然きれいランキング第一位の場所や。」
とつぶやいた。それは、何とぼくたちの住む七里をドローンでさつえいしたものだった。
 上空から見る田んぼの水はすき通り、水面には雲や周りの山の木々が映っていた。植え付けられたばかりの稲の緑色と重なって幻想的だった。田んぼから立ちこめる朝もやに山の上から朝日がふりそそぐ様子は、絶景としか言いようがない。こんなにきれいな場所に自分が住んでいることに感動し、(七里に生まれてよかった)と心の底から思った。
 春に遠足で行った三せきの川が映った時、流れる水の音や川も泳ぐ鮎のような魚のことを思い出した。ぼくは、川原で見付けた平らな石を使って、友達と水切りをした。ぼくの投げた石は、ビュンビュンと水面を走り、六回はねた。水切りの次は、周りに落ちていた竹の棒の先をわって、筆のようなものを作った。それに川の水を付けて、大きな石に絵を描いた。三せきには、ブランコもすべり台もサッカーゴールもない。でも、ぼくたちは、いつも時間を忘れて夢中で遊ぶ。
 映像の中には、四年生の時、四万十川財団の神田さんに習いながら水生生物調査を行った勝賀野川も映っていた。たしかにサワガニ、ヒラタカゲロウ、カワゲラなど十三種類の水生生物を見つけ、その水質がきれいであることを証明することができた。
 ぼくの住む七里は、山や川から出されるマイナスイオンたっぷりの自然豊かなユートピア。その中で、人も魚も全ての生き物が元気に暮らしている。そんなことを、ドローン映像が気付かせてくれたように思う。ぼくは、この美しい七里の自然をいつまでも大切に見守り続けたい。