中学校の部  

  自然のハーモニー
       
          南国市立鳶ケ池中学校
              三年 小松 栞奈
 
 私のひいおじいちゃんのお墓は細い山道を上っていった山の中にあります。車で三十分かけて山の麓まで行き、そこから車を下りて山道を上っていきます。私は小さい頃、その山道があまり好きではありませんでした。寒くて、川を流れる水の音が大きく、とても怖かったからです。そんな私も中学生になり、久しぶりにお墓まいりへ行くきかいがありました。いつものように山の下に車を止め、山道を歩いていると、新しい感情がありました。前までの「寒い」と言う感情が「涼しい」という感情へ変わっていて、川を流れる水の音がとってもきれいな音に聞こえました。そしてなにより森の木にかこわれているひいおじいちゃんのお墓がどこかかっこいいものに見えました。
 お墓のそうじを始めると、木のゆれる音や川を流れる水の音が合わさってハーモニーを作っているように聞こえました。その音は私がどんなにがんばっても出すことのできない「自然のハーモニー」でした。
 その音を聞いた時、ご先祖様がなぜこんな山奥にお墓をつくりたかったのか少し分かったような気がしました。空気がおいしく、緑が沢山あって、小鳥たちが鳴いている。そんな森では、普段、絶対に聞くことのできない、「音楽のハーモニー」を聞くことができ、新たな感情を感じることができます。小さい頃に抱いていた「怖い」と言う感情が、今では「とてもすばらしい」と言う感情へと変化しました。
 私は、そんなすばらしい全世界の森をもっと守りたいと思いました。中学校で行われた学校林活動では「木が育つようにするには、密集している木をいくつか伐採する間伐という動作が必要」という事を学びました。私自身木を切る事は全て悪いと思っていた一面がありました。しかし、「間伐」という動作一つで、木がより育ちやすくなり、森が豊かになるという事を知ることができ、程よく木を伐採することの大切さについて学ぶことができました。「間伐」の他にも森を守るためには「ゴミを捨てないこと」「国産の木製品を使い木材を無だにしない」などさまざまな活動をすることができます。
 私は、森を守って「自然のハーモニー」も守ることができるように、自分のできる事を一つでも行動に移し、沢山の人に森のすばらしさと大切さを知ってもらえるようにしていきます。