中学校の部  

  私たちの暮らしを支える水
       
         いの町立吾北中学校
           三年 竹本 真緒
 
 私の家で使っている水は、水道水ではなく、谷から引いてきた自然の水です。だから、雨が降ったり台風が来たりすると、水を引くためのパイプの中に葉っぱが詰まり水が出なくなってしまいます。小学生の頃は、私も一緒に谷まで上がってパイプのところを掃除していましたが、中学校に入ってからは勉強や部活で忙しくなり、今は、父が一人で行っています。
 私が住むいの町吾北の水はとてもきれいです。水道水の味とは比べものにならないくらいおいしいし、冷たいです。これほどきれいな水があること自体が貴重だと思います。雨が降ると濁ってしまうので、濁った水をきれいにすることは私たち家族が生きていく上でとても大切なことだと痛感しています。私にとって、谷のきれいな水を普通に生活水として使えることは何にも代えがたい貴重なことです。パイプを掃除してくれる父と周囲の山のおかげだと思います。以前、学校の「山の学習」で、川がきれいなのは山が元気だからだと習いました。本当にその通りだと思いました。元気できれいな山があるのは、適切に山を管理してくれる方がいてくださるからだそうです。私たちは自然に感謝することも大事ですが、きれいな自然を管理してくださる方にも感謝する気持ちを持たなければいけないなと思いました。
 現在、コロナウイルスの影響で、たくさんの人が、密を避けながら楽しめる川や山を訪れています。私が住む吾北にも県内外からたくさんの車がやってきます。たくさんの人が来てくださるのはありがたいことですが、観光客のみなさんが帰った後には、いくつかのゴミが残ります。人間が作り出したゴミは、水を汚し、環境に悪い影響を及ぼします。一人ひとりの心がけで、環境は大きく変化していくので、自然のためにどうすればいいのかを心に留めておかないといけないと思います。人間は生きていく上で、必ずゴミを出します。これは仕方がないことです。コンビニやスーパーでは、現在、レジ袋を持参しない場合はお金を払って買わなくてはいけません。慣れるまでは面倒だと思っていましたが、自然のことを考えると、ゴミを減らし、プラスチックを削減することにつながるので当然のことかもしれません。人間が出したごみの問題は最終的には人間に返ってきます。
 普段、水道水を使っている人にとっても、蛇口から出てくる水は、もともと自然の恩恵です。私たちは飲み水を自分たちで作り出すことはできません。これからも、今まで以上に自然に感謝する気持ちを持っていきたいです。